学長からのメッセージ

農医連携教育研究センター 挨拶

北里大学学長 伊藤智夫

北里大学の教育・研究の柱としての農医連携

 北里大学は生命科学あるいは医療科学の総合大学を標榜しており、「チーム医療教育」、「農医連携に関する教育・研究」、「感染制御に関する教育・研究」を主な教育・研究の柱としています。北里大学には、医療系4学部(医、薬、看護、医療衛生)に加えて4附属病院があり、チーム医療教育に関しては「チーム医療演習」、「チーム医療論」、「チーム医療病院実習」など、医療系学部と病院が連携した教育が行われています。感染制御に関しては学祖北里柴三郎博士から続く百年の伝統を持ち、2015年度ノーベル生理学・医学賞を受賞した大村智特別栄誉教授に代表される最先端の研究が行われています。

 一方、農医連携については「食・環境・健康」をキーワードに食と健康、東洋医学・漢方、動物介在医療などのテーマを掲げて、分野の壁を越えた研究・教育を行っています。農医連携では、医療とその周辺領域、例えば身体的・精神的な健康を維持し、未病状態を健康に戻すことなどをテーマとしています。農医連携に関わる本学の主な組織は、獣医学部、海洋生命科学部、薬学部、医学部、医療衛生学部、北里大学メディカルセンター、東洋医学総合研究所です。

農医連携の実際

 最近の農医連携シンポジウムのテーマは、「食のリスクとその軽減方法」や「食と健康のつながり」となっており、食の安全性や健康食品に関する内容となっています。腸内細菌や乳酸菌と健康に関するシンポジウムも実施されています。また、農医連携教育セミナーでは医科学実験動物分野、食の安全分野、動物介在活動・療法分野、生殖補助医療分野で学生による報告・討論会を開催して、農と医の複眼的視点を持った問題解決型人材の育成を目指しています。

 漢方医療は慢性疾患や未病対策に強みを発揮し、患者さんや未病状態の方のQOL向上に寄与しますが、本学では東洋医学総合研究所を中心に、漢方診療の可視化・標準化、生薬品質評価システムの開発などを推進しています。この取り組みは、文部科学省「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」トライアル拠点に選定されています。

 一方、障害者のリハビリテーションなど精神的機能の向上を目的として、動物を利用した療法(ドッグセラピーやホースセラピー)が行われます。本学においては、日本盲導犬協会と協定を締結し、北里大学メディカルセンターにおいて主に小児科領域におけるドッグセラピーを実践しています。

北里大学の特色と農医連携の展開

 北里大学には生命科学に関わる学部が揃っていますが、特筆すべきは獣医学部が八雲牧場(北海道)と十和田牧場(青森県)を、海洋生命科学部が三陸臨海教育研究センター(岩手県)を有していることです。また、獣医学部には、伴侶動物や産業動物を扱う獣医学科のみならず、食・環境に関わる教育・研究を実践している生物環境科学科と動物資源科学科があります。今後も、獣医学部を中心に、本学の様々な学部・学科、大学附属施設、大学附属病院や東洋医学総合研究所などを活用して、食・環境・健康に関わる教育・研究を推進したいと考えています。

以上